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奈良時代に制定された養老律令。明治初期まで生きつづけていた話

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 今月、参議院選挙が行われます。憲法改正が争点になるかどうかが話題になっています。
 日本国憲法は70年間以上、改正されていません。でも、養老律令に比べますと「たった70年」です。
 養老律令は1000年以上、法律として存在していました。もちろん、全ての条文が1000年以上、変更もなかったわけではないですが。

 養老律令は大宝律令を改良したものと言われています。
 元明天皇の時代に改正作業が行われ、757年(天平宝字1)に施行された法律です。
 歴史の専門家ではありませんので、なぜ養老律令が廃止されなかったのは、わかりませんが、廃止される事なく、幕末を迎えました。

 慶応3年(1867年)に王政復古の大号令が発せられました。
 この時、幕府の廃止だけでなく、摂関政治の廃止を謳い、律令時代に戻す宣言が行われました。

 そして明治政府ができた際、養老律令で定められています規定が採用されました。
 役所の名称は、律令時代の「八省」がありました。律令時代の役所名を使って「○○省」が生まれました。
 そして役所の長の名称が「卿」でした。次官に相当するのが「大輔」、「小輔」でした。まさに律令時代の役職名です。
 太政官制度を導入しました。太政大臣(三条実美)、右大臣(岩倉具視)です。後に島津久光が左大臣になりました。

 養老律令ですが、内閣制度ができた1885年(明治18年)、太政官通達により太政官制度が廃止されました。養老律令の事実上の廃止宣言でした。

 養老律令が明治まで存在していた事そのものが驚きですね。

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