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円盤が斜面を転がる理由。静止摩擦力のお陰。
円盤を斜面に置きますと、斜面を転がっていきます。何気ない日常の当たり前の風景です。
しかし、よく考えてみますと不思議な話です。箱を緩やかな斜面に置いても斜面との摩擦で留まっています。
そして箱を急斜面に置きますと、滑っていきます。円盤は緩やかな斜面でも転がります。そして滑る事なく転がっていきます。
斜面に円盤を置いた時、力の作用を見てみます。地球の重力によって円盤は下側に引っ張れます。
それを斜面の向きに水平方向と垂直方向に分解できます。
垂直方向の力は斜面を押しますが、同時に斜面は凹まないように反対方向に垂直抗力が働きます。作用・反作用になります。
斜面水平方向の力は、円盤を引きづる方向に働く力です。しかし、斜面には摩擦があります。円盤が引きづられないよう円盤には静止摩擦力が働きます。
円盤には重力、垂直抗力、静止摩擦力の3つの力が働いています。
3つの力の作用線が1点で交われば、力のつりあいはとれますが、作用線は1点では交わっていません。
そのため作用線のズレによって、円盤が回転します。
円盤が回転に寄与するのが静止摩擦力です。
「摩擦」と聞きますと、物の動きを妨げる働きを連想しますが、この場合、回転運動を促します。
もし、斜面に摩擦がなければ、円盤は転がらずに、斜面を滑ります。
身近な現象ですが、原理を見てみますと不思議な事が起こっていますね。