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「国」と「邦」の違い。劉邦まで遡る話
正月休みを海外で過ごされる方もいらっしゃると思います。
ところで、日本人の事を「邦人」、外国人の事を「異邦人」と書く事があります。久保田早紀さんの名曲「異邦人」がありますね。
「邦」という漢字は「国」の意味があります。
ところで「国」と「邦」の同じ意味の漢字ができたのか。それを知るには2200年前の漢王朝の創始者・劉邦まで遡る必要があります。
元々、「国」という漢字は、城壁に囲まれた都市を意味していました。
「国」の旧漢字は門構えに「或」です。門構えは城壁の意味で、「或」は守るべき物を意味する音と同じ漢字です。
古代中国の都は城壁に囲まれていましたので、古代中国では「国」は都市の意味でした。
今でも都市の事を中国語では「城市」と書きます。城壁に囲まれていた時の名残りです。
そして「邦」は、「国」よりも広い地域を指す意味の漢字でした。
ところが2200年前に漢王朝の創始者の劉邦が皇帝になった時、「邦」という漢字を使う事が憚れるようになり、「国」を代用する事になりました。
しかし、「邦」という漢字が廃れる事はなく、「邦人」という単語といったように、脈々と生き続けています。
ちょっとしたことでも調べてみますと面白いですね。