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「虫」という漢字。
4月になり一気に気温が上がり、そして5月を迎えました。蜂をはじめとしました虫の姿を見るようになりました。
ところで「虫」という漢字について漢和辞典を引いてみますと、元々は動物の総称で昆虫の意味はありませんでした。
昆虫を意味する漢字は「蟲」で「虫」が3つ並んだ物ですが、省略形として「虫」が使われるようになりました。
「虫=動物の総称」を聞きますと今の感覚では驚きですが、「虫」が動物の総称の漢字だというのは、虫片の漢字を見るとわかります。
カエルは「蛙」、ヘビは「蛇」、カニは「蟹」で「虫」がつきます。昆虫ではないですね。
そして爬虫類という単語も「虫」が入っています。「爬」は「地を這う」という意味があります。巨大なコモドオオトカゲも爬虫類ですね。
ところで「虹」という漢字は虫片がついています。動物でも昆虫でもありません。
しかし漢和辞典を見ますと古代中国では虹は「虫(ヘビ)」が「エ」(貫く)という意味でした。天を貫くヘビと考えられていました。
そして虹は龍とも考えられていました。オスの龍は「虹」、雌の龍は「蜺」と書いていました。
ところで漢文に「葉公好竜」(葉公、龍を好む)という話があります。
竜が大好きな葉公が竜の絵画や飾り物などを集めていたら、本物の竜が「俺の事を気に入ってくれるのなら葉公に会いに行こう」といって、葉公に会いに行ったら、葉公は驚いて逃げてしまった話です。
「うわべだけの愛好者」という話が転じて「見掛け倒し」という意味になっています。ちなみに「龍」と「竜」の違いですが、単に簡略化した漢字かどうかの違いで、意味は同じです。
雨上がりの虹を「龍」と思いますと、その綺麗さは見かけ倒しではないですね。