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バリバラ「障害者はテレビを救う」 (NHK・Eテレ)

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 Eテレで日曜日に放送されていますバリバラという番組。
 障害者のための情報バラエティー番組ですが、健常者が見ても楽しめる上、健常者が気づかない点をわかりやすく紹介する内容のため、時々、見ています。
 NHK バリバラ(バリバラの番組サイト)

 8月26日に放送されたバリバラを見て、初めて知った事がありました。
 手話と日本語が1対1で対応していない上、文法も異なるため、聴覚障害者の方にとって、字幕を読むのが大変という話でした。
 日常言語が手話のため、字幕を読むのは時間がかかるだけでなく、ひらがなで同音異義語があると、区別が困難という話でした。
 手話と日本語が対応していないという話は、初めて知りました。健常者が「こうすれば良いだろう」の発想は、実は障害者の方にとっては便利になっていない場合があるのではないかと感じました。
 NHK自身が、聴覚障害者、視覚障害者に対応した番組作りが遅れている事を認めた上で、聴覚障害者の方が「情報が得られないだけなのに、お前はそんな事も知らないのかと能力を低く見られる」という悩みを紹介していました。
 バリアフリーと言われていますが、健常者の視点では、障害者にとっての本当の障壁がわからないだけに、障害者の方と一緒になって対応する必要があると感じました。

 そして心理的なバリアフリーという観点で見ますと、2016年の同じ時期に放送されましたバリバラは考えさせられる内容でした。
 障害者の頑張る姿を感動的に伝える番組は、障害者の9割が嫌悪感を示すというデータでした。
 考えてみましたら、障害者の方がスポーツをするのも、外へ出るのも、スポーツを楽しみたいとか、外へ出て気分転換したいという、ごく普通の動機です。
 障害者の普通の動機に対して、健常者が「頑張りました」とか「良くできました」と言えば、障害者の方々を見下した態度になってしまいます。
 そのため、障害者が困難に耐えて頑張る姿を取り上げ、健常者が「感動した」とか「励まされた」というのは、感動ポルノと言われています。
 感動ポルノは、障害者の人権活動家の故・ステラ・ヤング(ご本人も障害者)が2012年に提唱した言葉で、バリバラでも紹介されました。
 その時の放送では、過去にあったNHKの番組(感動ポルノ)を認めた上で、感動ポルノの問題点を、冷静かつ客観的に分析していました。

 ところで、8月26日の放送のバリバラは、8月31日0:00に再放送されます。
 楽しみながらバリアフリーを考えるのには、良い番組なので、お勧めしたいと思います。

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