Blog

直線と平面の違い

ブログ

題名を見て「そんなの見たまんまやん!!」と思った方がいらっしゃると思います。
ところが過去の数学者の逸話を読みますと、図ではなく、言葉(数式)だけで表現すると、意外と難しい事がわかります。
先に結論を書きますと、直線と平面の両方に1ヶ所、穴を開ける事で、2つの違いが説明できるようになるとの事です。

19世紀から20世紀初頭に活躍した数学者・カントールは直線と平面の違いは何なのかで悩みました。

カントールは連続した直線を構成している点の数と、平面を構成している点の数が全く同じだという事を証明しました。
直線と平面の点が1対1で対応しているという事です。無限集合の場合、日常の感覚では理解しがたい事が起こります。
数式で書きますと 写像: は全単射になると言います。

その時、カントールは「直線と平面の違いがわからなくなった。この事実は信じたくない」と数学者の友人のデデキントに手紙を送りました。

デデキントは次のように解決しました。「1ヶ所、穴を開ければええやん」

直線と平面、それぞれ1ヶ所、穴を開ける事にします。
直線上の点AからBへ移動する際、途中の穴があって通れません。平面の場合、穴を回避してCからDへ移動する事ができます。穴を回避して移動できる事を連結といいます。

は連結でないが、は連結である事を示しました。
意味は、直線と平面の両方に1ヶ所、穴を開けると、違った構造物になるという事です。

デデキントのお陰で、カントールは枕を高くして寝れるようになったのかどうかは、わかりませんが、難しい問題に取り組みすぎて精神的に病んでしまいました。
直線と平面の違い。私達にとっては「見ればわかるやん」の話でも、数式だけで表現しようとしたら難しい話になります。考え出しますと、夜は眠れなくなりますね。

Share

Category

Archive

Recent posts