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失われた300年。5次方程式の解の公式の話

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 中学・高校の数学に出てきました2次方程式 がありましたですね。
 この2次方程式の、解の公式は です。

 懐かしいですね。

 中学・高校では習いませんが、3次方程式 の解の公式。
 4次方程式 解の公式は存在します。

 3次方程式、4次方程式の解の公式は同じ時期に発見されました。
1545年、イタリアの数学者カルダーノが出版した本に、4次方程式の解が書かれていました。ただし、発見者はカルダーノの弟子です。
 余談ですが、3次方程式の解の公式は、カルダーノの友人が発見してしまいましたが、カルダーノは自分の手柄にしてしまった逸話があります。

 4次方程式の解の公式があるのなら、5次方程式の解の公式を見つけようという事で、ヨーロッパ各地の数学者が解の公式探しを行いました。
 しかし、どの数学者も解の公式を発見できず、無念の死を迎えた数学者は数知れずでした。
 300年もの間、解の公式が発見される事なく、時間ばかりが過ぎていきました。

 1824年、19歳の天才数学者アーベルが「5次方程式の解の公式は存在しない」という事を証明してしまいました。
 19歳の若者が300年間の謎を解いてしまいました。ただ、解の公式が存在しないという証明だったため、呆気ない結末を迎えました。

 代数学の本では体論を使って5次方程式の解の公式が存在しない事を証明していますが、アーベルの時代は、まだ体論が確立されていなかったため、巧妙な手法で証明しています。
 300年間、解の公式が存在しない事が証明できなかったのは、解の公式の存在を否定するのに必要な数学理論が確立されていなかったためでした。顕微鏡のない時代に、虫眼鏡でウイルスの発見すべく躍起になっていたという感じです。

 この300年間を失われた300年とも言われています。どんなに努力しても理論や技術が確立されていないと報われないだけに、5次方程式の解の公式の発見のため、人生を捧げた数学者の霊が浮かばれないような気がしました。

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