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ナイル川の氾濫が積分を生んだ古代エジプトの話

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 高校3年生で習います微分積分。積分の記号は「S」に似た記号が出てきますね。
 こんな数式ですね。 

 積分は面積を求めるために生まれた物です。
 古代エジプト時代、ナイル川流域で農業が営まれていました。しかし、上流で大雨が降ると氾濫する上、流れが変わってしまう事もしばしばありました。
 流れが変わった事で、耕作地できる範囲が変わってしまいます。この時、土地の所有権の問題が発生します。
 誰でも自分の農地が減るのは嫌ですから、以前と同じ広さの農地にして欲しいと事です。

 しかし、四角形の面積を求めるのは「縦×横」なので簡単ですが、曲線(川の流れ)を含めた土地の面積を求める方法がありませんでした。
 そこで前と同じだけの耕作地の面積を割り当てるためにエジプト人は工夫しました。細い長方形で区切ったら良いのではないか。
 長方形を細くしていきますと、実際の面積に近づけていく事ができます。これが積分の発明です。

 現在の積分は19世紀の数学者・リーマンによって理論化されていますが、積分の基本的な考え方は古代エジプト時代と同じです。
 「ルベーグ積分があるよ」という突っ込みは無しでお願いします。

 積分の記号が「S」に似ているのは、「S」を使ったためです。細い長方形の合計「Sum」の意味です。
 日本語の積分も「積」を当てているのは、積み重ねたという意味だからです。
 でも、実は「S」は、ナイル川が曲がりくねった状態を表現していると想像したくなりますね。

 ところで微分と積分。実は全く異なる概念です。ただ、たまたま計算方法が逆になったので、微分の逆は積分と教えられる事がありますが、実際には別物です。
 微分と積分とは別概念なのに、偶然の一致で計算方法が逆になった。実は驚くべき事だったんですね。
 微分と積分の計算方法が逆になっているため「微分積分の基本定理」というものがあります。

 生活に役立ちそうな積分。でも、ケーキの分割で揉めた時、包丁を入れても綺麗に切れないので、積分の手法は使えないのが残念ですね。

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