Blog

漢字の違いで見る「蝶」と「蛾」の違い

ブログ

 昨日、生物学的な蝶と蛾の区別の話を書きました。
 蝶と蛾の違いを調べいます際、ドイツやフランスなどでは区別しないという話を見つけました。国によって物事の捉え方が違うと感じました。
 ところで漢字では区別しています。古代中国では蝶と蛾は区別している事を意味します。そこで昨日、自宅で漢和辞典を使って「蝶」と「蛾」の漢字の違いを調べてみる事にしました。

 「蝶」と「蛾」の共通点は形声という漢字という事です。私は「形声」という言葉を知りませんでした。
 そこで形声を調べますと、漢字の成立と用法に関する六種の分類で、その1つが形声だという事にたどり着きました。
 音声を表す漢字と意味を表す漢字を合体させて、新しい意味を表す漢字を作る方法が形声という事でした。

 蝶は「虫」と「世木」(機種依存文字のため崩して書きました)を組み合わせた漢字です。
 「世木」は植物の葉や木片など「薄い」という意味がありますと同時に、当時の中国では、蝶を刺す言葉の発音と、「世木」の発音が同じだったため、蝶という漢字になったようです。

 蛾は「虫」と「我」を組み合わせた漢字です。
 「我」は、元々は刃物のギザギザの象形文字でした。これは意外でした。蛾の触角は櫛状にギザギザしています。
 そして当時の中国では、蛾を指す言葉の発音と、我の発音が同じだったため、蛾という漢字が生まれました。

 
 漢字は古代中国で生まれたため、形声の漢字の場合、音を表す漢字と言われても、発音は日本語と違いますし、中国語が話せる方にとっても、古代中国の発音と現代中国語の発音は異なる場合がありますので、ピンと来ないですね。

 でも、日本人でも納得できる形声の漢字があります。鳩という漢字です。
 鳩の鳴き声と、「九」が似ている事から、「九」と鳴く「鳥」と書いて、鳩になりました。日本語の音読みの「ク」と鳩の鳴き声、似ていますね。
 でも、これは偶然の一致ではないかもしれません。「ク」という読み方は呉音で、日本に伝わった一番古い漢字の読み方なので、鳩という漢字が作られた時期の発音に似ているかもしれません。もう1つの音読みの「キュウ」は、漢音なので、呉音の後の時代です。

 漢字の成り立ちを調べてみると面白いですね。

Share

Category

Archive

Recent posts