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直流・交流(50Hz、60Hz)の3刀流の電気機関車
この間の土曜日、京都鉄道博物館へ行きました。
大阪から札幌を結んでいた豪華寝台特急・トワイライトエクスプレスを牽引していた電気機関車が展示していました。
電気機関車の説明文を見て気づきました。直流・交流(50Hz、60Hz)の3刀流。
現在、大阪から福井県の敦賀までは架線は直流電流が流れています。敦賀から新潟県の糸魚川までは交流60Hz。
家庭用電気でも西日本は60Hz、東日本は50Hzと同じですね。
糸魚川から新潟県村上までは直流。村上から札幌までは交流50Hzです(青函トンネルが在来線だった時代)。
3通りの電力供給形態に対応する電気機関車は凄いと思いました。
電気機関車や電車のモーターですが、製造年にもよりますが、30年以上前ですと、直流モーターで、それ以降は交流モーターです。
直流モーターの場合、交流区間で取り込んだ電気は直流に変換して、モーターに供給しています。
直流モーターの場合、電圧を一定の状態では回転数の制御ができないため、抵抗を使って電圧を換えてモーターの回転数を制御しています。抵抗から発する熱が無駄に消失するエネルギーになります。くれぐれも「界磁チョッパ制御は抵抗を使わないよ」という突っ込みは無しでお願いします。
交流モーターの場合、電圧を一定の状態でも、周波数を変更する事でモーターの回転数を制御できます。抵抗器を使わないためエネルギーを無駄に使う事もなくなります。30年前からその技術が使われ始めました。
ただ、交流の場合、直接、周波数変換はできません。そのため一度、交流区間の電車でも、架線から交流電流を取り込んだ際、一度、直流に変換した後で、インバーターで変換したい周波数の交流にします。そしてモーターに供給します。
そんな事を考えますと、電気機関車には電気の変換装置だけでなく、技術も詰まっているんですね。