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大学生のコピペは昔からあった話。中世ヨーロッパの大学。
私事で恐縮ですが、通勤途中、大学の近くを通ります。新入生を見ますと初々しさを感じます。
ところで世間では「大学生のコピペ」が話題になったりします。レポートはネットからコピペ。
ビジネス誌では、ネットの情報をコピペしてレポートを提出する新入社員の話があったりします。
でも、中世ヨーロッパに目を向けますと、当時の大学生もコピペをしています。
コピペの話の前に、中世ヨーロッパで大学ができた経緯を書きます。
東ローマ帝国の皇帝だったユスティニアヌスが西暦534年にローマ法大全を完成させました。
しかし、ユスティニアヌス皇の後、ローマ法大全は長い眠りにつく事になりました。
そして11世紀、イタリアのボローニャでローマ法大全の写本が発見されました。
法学を学ぶ場としてボローニャで大学が設立されました。その大学はボローニャ大学で、世界最古の大学と言われています。
ヨーロッパ各国とも法律制定をしたいと思っていましたが、いちから作成するのは大変な事です。
しかし、ローマ法大全は、ローマ帝国1000年の歴史の中での判例、勅令などがまとめられたもので、しかも巨大国家で多様な民族・価値観でも通用する普遍性の高い内容でした。
そのため「1から法律を作るよりも、ローマ法大全をコピペして法律を作ったほうが早い」という事で、ローマ法大全をコピペするため大学に学生が集まりました。
ローマ法は、ヨーロッパの民法の基礎となり、日本の民法もローマ法の影響を受けています。
ちなみに、ドイツでは独自の民法が制定される1900年前まで、ローマ法が使われてきました。
ただし、イギリスの場合は、ローマ法の影響は受けていません。
コピペによって発展した法律。良いコピペもあるという事ですね。