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「働かざる者、食うべからず」は新約聖書が出典だった
「働かざる者、食うべからず」は、レーニンが不労所得を非難する際に言った言葉です。
でも、元々はレーニンが考えたものではありません。新約聖書の「テサロニケ人への手紙II」の一節に「働かない者は食べる資格がない」があります。
そのため、キリスト教世界の倫理観として「働かざる者、食うべからず」があるようです。
レーニンも、キリスト教世界の人間だったため、無意識に新約聖書の一節を唱えたようですね。
ところで日本国憲法・第27条の条文は「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」です。
なぜ勤労の義務ができたのか。戦後、現行憲法制定の際、マッカーサー草案には労働の義務の記述はありませんでした。
そして1946年の第90回帝国議会に提出された憲法案には労働の義務の記述はありませんでした。
「帝国憲法改正案」(帝国議会に提出) 1946年6月20日(国立国会図書館)
一説には帝国議会でのやりとりで、社会主義系の議員の意見を取り入れて、追加されたようです。
もし、それが本当だとしましたら、憲法27条は間接的ですが、新約聖書に由来すると言えます。
「勤労の義務」が追加された経緯は定かではありませんが、「憲法27条は新約聖書由来」という仮説は、憲法記念日の時の話のネタになりますね。