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カリスマ土木技術者の行基。なぜ僧侶が土木技術を持っていたのか?

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 5月12日、兵庫県伊丹市にあります昆陽池公園を散策しました。行基が作った、ため池の1つです。
 行基といえば奈良時代、奈良の大仏の造営の陣頭指揮にあたった僧侶として有名ですが、それ以外にも、行基は近畿圏を中心に農業用のため池、橋を作ったりするなど、インフラ整備坊主として活躍していました。

 土木技術者でもありました行基。でも、なぜ高度な土木技術を持っていたのか。不思議に思っていましたが、最近、その理由を知りました。

 行基の師匠は道昭です。道昭は遣唐使で唐へ渡り、仏教だけでなく、唐の最新の土木技術も習得しています。
 当時、遣唐使で人を派遣するだけでも、多額の費用がかかっていますので、送り出す以上、日本の役に立つ技術や知識は吸収して来いという感じでした。
 余談ですが、道昭は、あの西遊記のモデルになりました三蔵法師(玄奘)の教えを受けています。そのため行基は三蔵法師の孫弟子になります。

 行基は、師匠の道昭から仏教だけでなく、唐の最新の土木技術を学んでいましたため、土木技術者として活躍できました。

 でも、ここで疑問に思った事がありました。では、行基の活躍の場ができたのだろうか。
 それには、当事の朝廷の政策が大きく影響していました。中学校の歴史で習いました三世一身法です。
 それまでは田畑は朝廷所有でしたが、食料増産を行うため、開墾を奨励する必要がありました。
 そこで自ら開墾した田畑は、3代に渡って私有地として認められるという事です。

 開墾ブームです。そこで行基の土木技術が注目されました。そして行基がひっぱりだこになりました。今でいうカリスマ土木技術者ですね。

 学校の教科書では、バラバラに教える事でも、つなげていくと、意外な事がわかりますだけに、歴史が面白く感じますね。

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