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数学の記述式の試験問題。実施したら採点会場は大混乱

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 大学入学共通試験で、数学の記述式の問題が見送られる事になりました。

 数学の場合、答えはひとつです。しかし、問題によっては、答えを導き出すための方法は何通りもあります。
 簡単な例ですと、23 × 17 = 391 の問題です。筆算ですと 23 × 10 + 23 × 7 = 391 になります。
 楽する方法では (20+3) × (20-3) = 400 – 9 = 391 があります。他にも20 × 17 + 3 × 17 = 340 + 51 = 391 もあります。
 23 + 23 + ・・・・ + 23 = 391 と23を17回の足し算をする方法もあります。工夫次第で、色々な解き方ができます。

 中学校でお馴染みのピタゴラスの定理も、100通り以上の証明があると言われています。

 数学者で京大の名物教授だった森毅は、生前、次の事を述べていました。
 「4通りくらいの解法がある問題を作って入試問題に出したら、24通りの解法が出たため採点会場は混乱した」

 続けて「解答用紙を見て、ある方法で解こうとしているが、途中で挫折しているのを見て、この方法では解けないと思ってバツにしたら、別の受験生が同じ方法で正解を導いているため、バツにした解答用紙を探して、部分点をあげなければならなかった」

 大学の先生が予想もしない方法で問題を解く受験生。それだけ受験生の頭が柔軟で発想が豊かだといえますが、採点する側にしてみれば恐怖です。
 予想もしない解法。途中で挫折している場合、その方法が正しいかどうか、わからない。
 その上で公平かつ公正に採点しないといけない。採点会場が想像絶する状況だったのが感じ取れます。

 もし、何十万人も受験します大学入試共通試験の数学の問題で10通り、20通りの解法が出てきたら、どうやって採点者に全ての解法を共有する事ができるのか、部分点をどうするか、公正に部分点をあげられるかで、結論が出せない議論になりそうですね。

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