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料理人から宰相までになった人物・伊尹(いいん)。医食同源の始祖。
古代・中国には料理人から宰相にまで登りつめた人物がいます。殷の湯王の時代の宰相・伊尹です。約3600年前の古代中国です。
伊尹については司馬遷の史記に載っています。
伊尹は湯王に仕えようと考えていましたが、ツテがありませんでした。
そこで湯王の妃の料理人として仕えることにしました。政治家になるために、料理人として仕えるという発想。意外ですね。
ただ、伊尹は素人料理人ではなかったようです。
伊尹は妃に仕える際、鍋・まな板を持ってやってきました。美食を振る舞いました。プロの料理人だったようです。
そして湯王に近づき、湯王に助言などを行える立場になり、宰相にまでなりました。まるで中国版・豊臣秀吉ですね。
薬学にも精通していた伊尹は、料理と漢方を結びつけた医食同源を実践しました。そのため医食同源の始祖とも言われています。
伊尹の名前は「阿衡」です。阿衡は名前なのですが、いつしか官名になりました。
それが1100年前に日本で起こりました阿衡の紛議につながっていきます。
阿衡の紛議は別の機会に取り上げますが、料理人から宰相にまで登りつめる人物がいたのには驚きますね。
余談になりますが平安時代の貴族に藤原伊尹がいました。この人物は「伊尹」(これただ/これまさ)と読みます。
漢字が同じでも読み方が違いますと、覚えるのが大変ですね。