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クルーズ船の管轄権は英国にあるため日本政府は対応が困難。

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 連日、ニュースでクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の事が報じられています。

 日本政府の対応が遅いように見えますが、日本政府が容易に行政権を執行できない事情があります。
 ダイヤモンド・プリンセス号は英国船籍です。英国船籍のため日本領海上であっても英国の法律が適用される上、管轄権は英国にあります。

 旗国主義と呼ばれる物で、国際法にもあります。海洋法に関する国際連合条約(同志社大学:オンライン法令集)
 この条約の94条に旗国の義務が明記されています。ダイヤモンド・プリンセス号の場合、英国の管轄権行使が求められています。
 そのため英国船籍が、日本の領海、日本の港に接岸していても、一部分の事項を除いて、英国の許可なしに日本政府が対応する事ができません。

 そして下手に日本政府がダイヤモンドプリンセス号に対して打診をしたりしますと、英国から内政干渉という批判を受けかねません。
 日本としてはダイヤモンドプリンセス号の乗客を助けたいと思っても、思うように動けません。日本政府関係者は歯がゆい思いをしている事が想像できます。

 ところで19世紀の英国は、大英帝国で世界最強の大国でした。
 大英帝国は自分が有利になるよう、国際法を破った上で、相手にそれを呑ませるという外交を行ってきました。
 その伝統なのか、英国は己の対応の悪さを隠すために、日本を悪者にしている。そんな風に勘ぐってしまいそうです。

 ダイヤモンド・プリンセス号の乗客の方々や乗務員の方々の疲労が限界に近づいていると聞きますだけに、この問題が早いうちに解決できる事を祈るばかりです。

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