Blog

灘五郷の酒が美味しいのは花崗岩のお陰? 兵庫県西宮市から神戸市灘区の一帯

ブログ

 東は西宮の今津から西は神戸市灘区までの沿岸部の事を「灘」と呼びます。
 そのうちの今津・西宮・魚崎・御影・西郷の五郷では、1600年代初頭から清酒造りが盛んになっています。

 昨日のブログで六甲山系は花崗岩でできていると書きました。
 灘五郷の酒蔵では、花崗岩の岩盤の中を染み出してきた井戸水を汲んで酒造りを行っています。
 もちろん、海岸線近くの井戸のため、花崗岩のミネラル分以外にも、海に由来する他の成分も入っています。

 灘五郷の酒が注目を浴びた理由は、西宮の井戸で汲み上げます宮水にあります。
 写真は、西宮市にあります白鹿の宮水の井戸です。今年の正月、側を通った時に撮影しました。

 江戸時代、酒造りは冬に行っていました。しかし当時のお酒は保存がきかなかったため、夏になると味が落ちていました。
 しかし、宮水で酒を造りますと、夏になっても味が落ちず、秋になると味が良くなるため「秋晴れ」と言われるようになり、注目を浴びました。
 そのため神戸市にあります酒造会社で、西宮に専用の宮水の井戸を持っている所もあります。宮水を使っていない酒造会社もあります。

 花崗岩のミネラル分が味を良くしているのか、それとも酒造米が発酵する際、ミネラルによって酵母菌が活性化するのか、それとも両方なのか。
 この辺りは酵母菌の専門家でないとわかりませんが、花崗岩に含まれるミネラル分の影響があるかもしれません。

 花崗岩はコロナウイルスに効くというデマがネットで流れていましたが、全く効果はありません。
 花崗岩はウイルスには効かなくても、お酒の味には影響するようです。

 とはいうものの、花崗岩がお酒の味に影響するという科学的根拠は示せない上、味は個人の主観に依存します。
 そのため「熱燗の中に花崗岩を入れたが美味しくならなかった」ということは言わないでくださいね。

Share

Category

Archive

Recent posts