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語学の達人のハプスブルク家。バデーニ言語令

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 1897年4月15日は、オーストリア=ハンガリー帝国で、チェコ語を公用語と認めるバデーニ言語令が発令された日です。
 オーストリア=ハンガリー帝国は、多民族国家で、多様な言語を持っているため、皇帝を務めるハプスブルク家は、語学が得意な人ばかりです。
 国民に呼びかける際、ドイツ語だけですと、他言語を使う国民からすると「ドイツ系だけ優遇されている」という妬みになってしまいます。
 多民族国家の君主となれば、複数の言語の習得が必須になります。
 フランスのルイ16世に嫁いだマリーアントワネットは、5つの言語を操ったと言われています。

 関西弁と、知っている単語を並べる程度の英語力の私なので、語学ができる人を尊敬してしまいます。
 それはオーストリア=ハンガリー帝国の人達も同じで、公用語が増えるとなると、役所の文書もチェコ語が加わるため、役人は語学の勉強を強いられます。大変ですね。そのため大混乱が起こったと言われています。

 現在でも複数の言語を公用語にしている国は、いくつもあります。
 カナダは英語とフランス語です。そのためカナダで公務員になる場合、英語とフランス語の両方ができないと公務員になれません。

 シンガポールは英語、中国語、マレー語、タミル語(インド南部の言語)です。
 シンガポールの場合、中国系、マレー系、インド系の民族で構成されていますためです。3つの民族同士が意思疎通を行うため英語が主に使われます。
 公式文章は英語です。英語ですと妬みが生まれないというわけです。
 ところでシンガポールでは中国系でも、福建系は福建語、広東系は広東語を使います。中国系同士は標準中国語。福建系同士は福建語といった感じです。
 昔、シンガポールへ旅行しました時、タクシーに乗りました。タクシーの運転手は「英語、マレー語、標準中国語、福建語、広東語ができる」と言っていました。
 商売をする上で、語学が欠かせないという例ですね。

 その上をいくのがインドです。公用語が16あると言われています。
 多くの言語があるため、大きな括りでまとめても、16個の公用語という状態です。
 そのため主となる公用語として英語とヒンズー語が使われています。インドの大学入試では英語、ヒンズー語と、もう1つの公用語の試験があります。

 世の中、語学の得意な人はいます。私の友人で英語、中国語、韓国語が話せる人がいます。
 中学・高校時代、英単語を覚えるだけでも四苦八苦だった私なので、さらに他言語の単語を覚えているとなると、記憶力だけでも凄いと感じます。

 ドラえもんの暗記パンや、ほんやくこんにゃくが欲しくなりますね。

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