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人が働く理由。神々が楽したいから。古代バビロニアの人類創世記。
コロナウイルスの影響で、テレワークを導入している企業が出てきています。
ところで、なぜ人間は働かないといけないのか。その疑問は世界最初の文明の古代バビロニアの人々も考えていました。
そこで、3700年前の粘土板に刻まれた古代バビロニアの人類創世記を紹介します。
人類が存在する以前、神々の世界がありました。
神々の中には序列があり、下位の神々は、上位の神々によってコキ使われていました。
そのため下位の神々が「いい加減にしろ」と怒りを爆発し、最高神に対してストライキを宣言しました。
食料などが得られなくなった上位の神々。大混乱になりました。
そこで最高神は考えました。下位の神々の代わりに、働く存在を作れば良いと考えました。
そこで粘土で神の姿をかたどりました。それが人間の誕生です。
人間を、下位の神々と同じ働きができるようにするために、なんと下位の神々の1人を殺し、その血を粘土で作った人間に与える事で、下位の神々と同じ働きをするようになりました。神が犠牲になる。物騒だけでなく、古代の人間社会の縮図に見えますね。
粘土で人間を作った理由は、労働に耐えかねてストライキが発生するのを抑えるため、寿命をもたせた事にあります。
不満がたまり爆発するまでに、人間の寿命が尽きるということです。そして寿命が尽きれば、土にかえる。死です。
人間が下位の神々の仕事を代わりに行うようになりました。でも問題は解決しませんでした。
人間が増えた事で、騒々しくなったため、最高神が「うるさい。夜も眠れぬ」と言い出し、人間が増えすぎないように、人間の寿命を縮めました。
他にも人間が増えすぎないように、子供ができる数を制限したりしました。
最高神の発想は身勝手でわがまま。神という割りには、完璧な仕組みや設計ができず、それに悩まされる。人間みたいな神ですね。
古代バビロニアの人は、なぜ自分達人間が存在するのか。なぜ働くのか。なぜ死ぬのか。その答えを求めるため、神話を作成しました。
古代バビロニアの場所は、今のイラク南部です。チグリス川が氾濫を起こす度に、遥か上流からの土砂が堆積していました。
その堆積した土砂から、粘土を容易に確保する事できました。粘土に文字を刻んだ事で、長持ちする書物になりました。特に粘土板を焼くと、さらに丈夫になる事もわかっていました。
3700年前に書かれた神話が今に伝わっている事を考えますと、粘土板の凄さを感じますね。