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世界最古の文字は表意文字。シュメール語

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 漢字は中国大陸で生まれた表意文字です。殷後期に甲骨文字として登場したと言われています。
 現時点では、殷後期以前の遺跡からは文字は見つかっていません。

 世界最古の文字は、5000年前のイラク南部のシュメール人が発明した楔形文字です。
 当時、既に商業が活発に行われていました。小集団での物々交換だけでしたら、覚える必要もありません。
 しかし、活発な取引がありますと、商品や数、誰と取引したなど、様々な事を覚える必要が出てきますが、人間の頭では覚え切れません。
 そこで取引した内容を記録する手段として文字が開発されました。

 シュメール人は、商品(物)、数といった事柄ををひと目でわかる記号にするため、表意文字を発明しました。
 当時、紙はありませんでしたが、粘土は沢山ありました。粘土板に文字を刻むため、直線的で刻んだ形の文字になりました。

 ところで日本人は中国から漢字を取り入れました。
 それと同じ事が起こりました。イラク北部に住んでいたアッカド人です。アッカド人に続けと、楔形文字が広がっていきました。

 ただ、漢字が日本に伝わってきたと同様、表音文字の音と、実際の周辺の民族の言語の音が異なるため、そのまま使えませんでした。
 日本語で「やま」は、当時の中国語では「山(サン)」になります。漢字をそのまま使うにも、音が違うと使えないです。

 日本の場合、漢字の意味ではなく、音だけを考えて、日本語の発音に当てはめていきました。万葉仮名です。訓読みの発明はその後です。
 万葉仮名と同様、古代バビロニアの周辺諸国でも、表音文字の音を、そのまま実際の言語の音に当てはめました。表音文字の誕生です。

 ところで世界最古の文明を開いたシュメール人。謎が多く、言語体系を見ても、周辺の民族とは異なります。
 アッカド人など周辺の民族はセム語族ですが、シュメール人は、どの語族にもあてはまりません。どこからやってきたのか、現在でも謎のままです。

 文字の成り立ちをみますと面白いですね。

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