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蟹満寺。京都府木津川市。2017年5月の話

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 外出自粛。そのため今日も2017年5月に蟹満寺へ行った話を書きます。
 木津川市を散策していました時、偶然、蟹満寺を発見しました。境内には蟹がいました。

 蟹満寺には国宝の釈迦如来坐像があります。仏像は撮影禁止なので、撮影はしていません。
 でも雰囲気を伝えるのは問題ありませんので、雰囲気を伝えますと、結構、大きな仏像でした。
 1300年以上も同じ所に安置されている仏像です。歴史の風格を感じます。
 お釈迦さんの手は「水かき」がありました。漏れることなく多くの民衆を救うという事から、手には水かきがあります。

 蟹満寺の創建はよくわかっていません。7世紀後半と推定されています。飛鳥時代後期です。
 飛鳥から木津川まで距離がありますので、都から離れたお寺となります。藤原京に遷都した時代と考えても、結構な距離があります。
 当時、どんな位置づけのお寺だったのか、興味深い所です。

 このお寺の名前ですが、「蟹の恩返し」という昔話に由来します。昔話を紹介します。
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 この地に信心深い父娘が住んでいました。
 ある日、娘が村人が取っている蟹を見て、哀れに思い、買い取って、逃がしました。
 また、父親は、蛙を食べようとした蛇に対して「俺の娘を嫁にするから、蛙を助けてくれ」と言って、蛙を逃がしました。
 しばらくして男性が娘に求婚しました。その男の正体は蛇でした。父親は「3日待ってくれ」と返事をしました。

 父娘は建物に誰も入れないようにして、お経を唱えました。
 蛇は「約束が違う」と怒り狂いました。蛇は暴れだしましたが、その後、静かになりました。
 外の様子を見た時、蟹にぶつ切りにされた蛇と、蟹の死骸が散乱していました。
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 まさに蟹の恩返しですね。

 ただ、見方を変えますと、後先考えずに安易に娘を差し出す父親は、困った父親ですね。
 蛇にとっては契約違反だと怒っても不思議ではないですね。

 偶然、発見したお寺でしたが、国宝を拝見し、昔話を知る事ができ、有意義な時間を過ごせました。

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