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国宝・奈良東大寺の旧境内にある転害門。奈良県奈良市
6月6日、奈良・東大寺近くを通っていましたら、転害門(てがいもん)がありました。
転害門は東大寺創建された時の建物の中で、唯一、現在に残っているものです。
先週のブログでも説明しましたが、1180年の平重衡による南都焼討、松永秀久による東大寺焼き討ちのため、奈良時代からあります伽藍は焼失しました。
そのため東大寺の建物は鎌倉時代以降に再建された物ばかりです。それでも鎌倉時代の建造物が残っているのは凄いですが。
転害門は国宝に指定されていますが、周囲に観光客はいませんでした。
奈良の観光コースからも外れているようで、知る人ぞ知る国宝になっています。そのため独り占めしたかのように、じっくりと鑑賞する事ができました。
転害門の名前の由来ですが、諸説あるようですが、そのうちの1つを紹介します。
東大寺の守護神として八幡神を勧請した際、八幡神が諸神を手招きした。その姿が「手で物を搔く」に似ていた事から「てがい」になったようです。
「てがい」には、色々な漢字が当てられています。「手掻」、「転害」、「手貝」等です。地名では「手貝」なっています。
門は「転害」が当てられています。中世に当てられた漢字のようで「災害から転じる」に由来するようです。
転害門の前の道路は、旧・京街道で、奈良と京都を結ぶ街道でした。
中世から栄え、江戸時代には宿場ができたりしました。今も街道を散策しますと、雰囲気が残っています。
東大寺へ参拝されます際、お時間に余裕がありましたら、奈良時代の転害門をご覧になられるのはいかがでしょうか。