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ヘリウムの液体化に成功した日

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 1908年7月10日、オランダの物理学者のヘイケ・カマリン・オネスがヘリウムの液化に成功した日です。

 普段、気体として存在しています窒素、酸素などは低温にしますと、水のように液体になります。
 窒素-196度で液体になり、液体酸素は-183度で液体になります。地上には存在しない低温です。
 ヘリウムの場合、-269度です。この低温を作り出す
 これ以上、下げる事の出来ない温度(絶対温度)は-273度なので、とんでもなく低温になります。

 ヘリウムの液化に成功したオネスは、更なる大発見をしました。
 絶対温度に近い超低温状態で、電気抵抗がゼロになる物質がある事を発見した事です。超伝導物質の発見です。

 今も超低温状態を実現するために液体ヘリウムが使われています。
 超伝導物質の研究・開発が進んだお陰で、医療用MRIをはじめ、2027年開通を目指しています日本のリニアの実現にもつながっています。
 ヘリウムの液体化が実現した波及効果になります。

 それだけでなく、様々な業態でもヘリウムは活用されています。ヘリウムを知る | 日本ヘリウム株式会社
 ヘリウムは現代社会を支える重要な気体になっています。

 ヘリウムといえば不燃性の上、水素の次に軽い気体のため、以前は風船を膨らますのに使われました。
 ぷかぷか宙に浮いている風船は、中にヘリウムが入っていたためです。アドバルーンにも使われていました。
 あと音の伝わり方が、空気と異なりますため、ヘリウムを吸った後で声を出すと、違った声がでます。

 ただ、近年ではヘリウムの値段が高くなり、気軽にヘリウムを使う事ができなくなりました。
 その理由はヘリウムの埋蔵量が少ないためです。天然ガスなどのガス田から採取できるガスから、ヘリウムを分離して採取しているのが現状です。
 空気中に含まれていますヘリウムは微々たる量しかありませんので、分離採取は経済的に合わないと言われています。
 そしてヘリウムは軽いため、空気中に放つと、上空に拡散していきますため、地上に残りにくい事も挙げられます。
 
 人類が人工的にヘリウム生成ができる日は来るかもしれません。核融合の技術です。
 太陽内部で発生しています物理現象を、地上で実現しようという技術です。
 重水素と三重水素からヘリウムを生成する際に出るエネルギーを取り出すという技術です。
 しかし、実用化するのは2050年頃と言われていたりします。実現できるかどうかもわかりません。
 ただ、エネルギー問題解決やヘリウムの問題が解決できる事を願って、人類の叡智を信じたい所ですね。

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