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崑崙山。昆陽寺の山号。兵庫県伊丹市

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 11月3日、伊丹市にあります昆陽寺を通りました。境内のイチョウの葉が黄色になっていて綺麗でした。
 このお寺は733年に行基が建立しました。奈良の大仏の建立の陣頭指揮、ため池(昆陽池)の造営の陣頭指揮をとった行基です。

 昆陽寺の山号は「崑崙山」です。崑崙(コンロン)山は、中国の神話に出てきます西方にあります山です。
 行基は中国大陸に渡っていません。行基の師匠の道昭は留学生として遣唐使に随行して唐に渡り、あの玄奘(三蔵法師)の弟子になりました。
 しかし、道昭は西方彼方へ行った話はありません。

 道昭の師匠の玄奘は、西遊記でもご存知の通り、西方の地(今の中央アジア)を経由してインドへ渡り、インド仏教を学びました。
 玄奘がインドへ向かう途中は天山北路を通りましたが、帰国の際は、天山南路を通りました。タクラマカン砂漠の南側に崑崙山脈があります。
 天山南路を通りますと崑崙山脈が見えるかもしれません。行ったことがありませんので、わかりませんが。
 もしかしますと崑崙山脈を見た玄奘が「あれが崑崙山か!」と思いながら旅をしていたかもしれません。

 唐に帰国した玄奘。そして日本からやってきた道昭を大変気に入り、道昭を愛弟子にしました。
 インド往復の修行の話を道昭に話していたかもしれないですね。そして道昭が帰国した後、弟子の行基に「玄奘様は伝説の崑崙山をご覧になられた」と言っていたかもしれないですね。

 実際の所はわかりません。道昭が唐へ渡る前から崑崙山が中国の伝説の山だという事が日本に伝わってたかもしれません。
 でも、玄奘から道昭、そして行基と伝わり、行基が山号に「崑崙山」にしたと想像しますと、歴史ロマンを感じますね。

 最近、寒くなってきたためか、石仏を見ますと赤い帽子をかぶっていました。
 ところで昆陽寺が建立された時はわかりませんが、現在は真言宗のお寺です。
 石仏の手を見ますと真言宗で使われます法具「金剛杵」がありました。真言宗のお寺の石仏らしいですね。

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