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聖徳太子の逸話の元ネタは日本書紀。

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 1958年12月1日、日本で初めて1万円札が発行されました。絵柄は聖徳太子です。
 聖徳太子といえば、一度に10人の話を聞く事ができた、生まれてすぐに言葉を話したなどの超人伝説があります。
 これらの伝説は現存する最古の歴史書・日本書紀の推古天皇の章に記されています。

 それだけではありません。聖徳太子は厩戸皇子と言われていた事。その由来は馬の厩舎の前で生まれた事、推古天皇によって摂政に任ぜられた事、冠位十二階、十七条憲法も日本書紀に書かれています。日本書紀のお陰で聖徳太子の事を知る事ができます。 

 驚く事は十七条憲法の条文が日本書紀に書かれていることです。
 日本書紀の編纂が始まったのは681年と言われています。完成したのが720年です。今年は日本書紀の完成から丁度1300年です。

 十七条憲法が発布されたのが606年と言われていますので、70年以上経ってから日本書紀に記載された事になります。
 この間、十七条憲法の条文は、どういう形で保管されていたのか気になりますね。
 当時、紙や木簡などで記録する事がなかったため、記憶係りが丸暗記していた可能性はありますし、それとも木管などに文章として残っていたのか。
 当時の様子がわからないだけに、いくら考えても思いつかないですね。

 厩戸皇子。キリストが馬小屋で生まれたため、聖人伝説と結びつけた説があったりします。
 可能性を完全に否定する事はできません。日本書紀が編纂された時期、中国大陸にはキリスト教のネストリウス派がいました。
 遣唐使で渡った留学生がキリストの聖人伝説を日本に持ち帰った可能性があります上、日本にもネストリウス派の人達が来ていた可能性もあります。
 聖徳太子を聖人化するため馬の厩舎の前で生まれたという話にしたという説が出てきても不思議ではありません。
 もちろん推測の域は超えませんが、歴史ロマンを感じる事はできますね。

 私事で恐縮ですが、小学校の時、歴史漫画で聖徳太子の話を読みました。中学校の歴史で「720年は日本書紀」を習いました。
 しかし両者は結びつく事なく、長年過ごしていました。その後、聖徳太子の話の元ネタが日本書紀だと知りました。
 日本書紀といえば難しそうに思えますが、実は、歴史漫画、簡単な解説本を通じて、間接的に日本書紀を読んでいることがわかりますね。

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