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縁切り地蔵。叶わぬ恋の悲しい話。兵庫県たつの市
11月22日、たつの市に立ち寄った時の話を書きます。
縁切り地蔵を発見しました。お地蔵さんといえば、ほんわかして、暖かい感じがありますが、なんだか名前は怖そうですね。
しかし、縁といっても、この地蔵は良縁を切るのではなく、悪縁を切るための地蔵です。博打、酒などから断ち切るという意味合いです。
縁切り地蔵の看板には以下の事が書かれていました。
江戸時代、鳥取藩の若侍が町人の娘と恋仲になりました。当時は厳しい身分制度のため、身分の違いから叶わぬ恋でした。
若侍は娘との縁を切るため、江戸勤番を申し出て、藩主が江戸へ行く時のお供としていきました。
しかし、娘が追っかけてきました。若侍は「頼むから来るな」と説得したが、それでもついてきました。
いくら説得しても娘は聞き入れず、ついに若侍は怒って、この地で若侍は娘を切り殺しました。若侍は自害しました。
若侍は村人に「私のような悪縁に苦しむ人々を救う」という遺言を残しました。
村人は遺言に従って、この地に地蔵を勧請しました。
悲しい話ですね。
ただ見方を変えますと、叶わぬ恋であって、若侍が娘の事を酒や博打と同列に「悪縁」と遺言を残したのでは、殺された娘は成仏できない気がしました。
ところで江戸時代ですが、近年、教科書の内容が変わってきています。以前は士農工商は身分制度として教えられていましたが、現在では士農工商は職業区別だったため、学校では教えていません。
そして身分制度ですが、藩によって異なっていました。武士と町人・農民の間が比較的流動的だった藩もあれば、厳格に守る藩もありました。
鳥取藩は身分を厳格に守る藩だったようですね。
ところで灯篭を見ますたら、猪目の形になっていました。
猪目のデザインかもしれませんが、ハート形と同じなので、地元の人達が、来世での恋の成就を願って、そういうデザインを選んだのかもしれないですね。