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はやぶさ2の帰還。素晴らしいですね!!

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 12月6日の日本時間の2時38分、はやぶさ2が採取したカプセルが大気圏に突入し、見事に帰還しました。
 NHKのライブ中継を録画していましたので、朝起きてすぐに録画を見ました。素晴らしいかったです。

 2010年の初号機の時は、多くのトラブルに見舞われながらも地球に帰還しましたため、日本中に感動を呼びました。
 今回、比較的順調に進んでいましたが、それでも「よく戻ってきた」という感動を呼びますね。JAXAをはじめ、はやぶさ2に関わった方々の努力の賜物ですね。

 ところで初号機の時、本体とカプセルが一緒に大気圏に投入しましたため、本体が大気圏で燃え尽きるまでの間、大きな明るい筋になっていました。
 今回はカプセルだけなので、火球(明るい流れ星)でした。

 大気圏突入の際、数千度という温度になりますが、なぜ高温になるのか。高校の物理を使えば説明できます。
 大気圏突入しました際、大気に接する面の空気の層が、一気に圧縮されます。空気を圧縮しますと温度が上がります。
 圧力と体積と温度の関係式は高校の物理・化学で習いました以下の式があります。
  (Pは圧力。Vは体積。nは分子の数。Tは温度。Rは気体定数です)

 さらに外部との熱のやりとりがない場合の圧縮の事を断熱圧縮といいます。短時間や瞬間的な圧縮も断熱圧縮になります。
 コンプレッサーで空気を圧縮しますと、熱を帯びます。断熱圧縮です。
 エンジンのシリンダー内部も燃焼ガスを圧縮させる事で高温にします。断熱圧縮です。ガソリン車の場合ですと点火プラグで燃焼させます上、ディーゼル車の場合、圧縮した際の熱で自然発火します。
 反対に、一気に圧力を下げますと温度も下がります。断熱膨張でスプレーで吹き付ける物質が冷たいのはそのためです。

 断熱圧縮・膨張の数式は、高校の物理で習います (Cは定数で一定を表わします。γは比熱比です)

 体積が小さくなると温度が上がるという事を示した式になります。

 大気圏突入で高温になる事が、高校の物理で説明できます。
 高校で物理を選択して「退屈で面白くない」と思われた方も、もしかしますと「学校で習った事が応用できる」と思われるかもしれないですね。

 はやぶさ2は、カプセルをお土産として地球に落下させました。そして本体は別の小惑星の調査という次の使命を果たすべく、遠くへ行きました。
 その様子はJAXAのサイトにあります。 はやぶさ2プロジェクト

 ところで、初号機も、本来でしたら、カプセルを地球に落下させて、新たな旅に出る予定でした。
 しかし、ご存知の通り、満身創痍の状態だったため、苦渋の選択で、大気圏に突入させ、最後の光を放ちました。
 なぜ「はやぶさ」の本体は地球の大気圏に再突入してしまったのですか?(JAXAのサイト)

 はやぶさ2。次の調査のために地球を去っていきました。11年後に調査の小惑星に到着します。11年後、「あのはやぶさ2が頑張っている」と日本中が沸き立っている事を祈りたいですね。

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