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マスコミによる発言の切り取り事件。1950年12月7日の池田隼人発言。

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 1950年12月7日、当時の吉田内閣で大蔵大臣だった池田隼人の発言で「貧乏人は麦を食え」がありました。
 実は、マスコミによる発言の切り取りで、実際の発言内容は「所得の少ない方は麦、所得の多い方はコメを食うというような経済原則に沿ったほうへ持っていきたい」でした。

 実際の発言内容と、切り取りされた内容ですと、印象が大きく変わってきますね。
 当時は戦後まもなく日本が貧しかった上、米の自給はできていませんでした。所得の少ない人は、麦飯を沢山食べれる、所得の多い人は米を沢山食べれるように経済発展させていきたいという意図でした。
 しかし、このマスコミの切り取りによって、世間から批判を浴び、池田隼人は辞任に追い込まれました。怖いですね。

 マスコミ報道の怖さといえば、終戦前、首相だった鈴木貫太郎の発言が挙げられます。
 ポツダム宣言を受け入れるかどうか記者に尋ねられ「黙殺する」と発言したのが、「ignore」(無視)と訳されたという話です。
 ところが実際には鈴木貫太郎は「黙殺」と発言していません。ノーコメントと言いたかったが、英語禁制だったため止む得ず「重要視しない」と答えました。
 どういう事から記者に聞かれたため、最後には「ノーコメントだ」と言いました。

 しかし新聞報道では「笑止」とか「黙殺」という見出しになりました。そして当時あった日本の社団法人・同盟通信が「黙殺」を「ignore」(無視)と訳し、さらに欧米メディアが「reject」(拒否)としました。
 「reject」が聨合国側に伝わり「ポツダム宣言受け入れ拒否」と解釈されました。原爆投下の要因になったとも言われています。

 今も政治家の発言が切り取られた報道があったりしますし、内容が歪められた報道もあります。
 政治家の発言がニュースで流れて、内容に対して「けしからん」と思っても、冷静になって国会答弁や記者会見の内容をyoutubeなどで見て、内容を確認しないと、踊らされてしまいます。
 常にニュースに対して、冷静に見る事を心がける必要がありますね。

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