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10兆円ファンドで科学立国の復活かも

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 大学施設の充実のため10兆円ファンドが始まりました。
 "10兆円"大学ファンドの船出 日本の大学衰退を救えるか(NHKニュースサイト)

 ファンドにより少しでも科学技術の研究環境が良くなる事で、日本のノーベル賞受賞が増えるだけでなく、特許数などの知的財産が増えれば良いですね。

 ビジネス書には「集中と選択」が出てきます。
 しかし科学技術予算に関しては「集中と選択」は不向きと言われています。
 理由は「何が当たるか科学者すらわからない」という事です。何が当たるか予見できれば、研究者はみんな同じ研究をしています。
 しかし、実際には、何が当たるか、わからないため、幅広く研究していますし、幅広く研究するしかないという事です。

 誰にも見向きもされない研究が陽の目を見た近年の代表例がmRNAワクチン開発の立役者でハンガリー出身のカタリン・カリコ氏です。
 少し前、カリコ氏と京都大学の山中教授と対談が放送されました。
 新生ワクチンは世界を救うのか!? 開発の立て役者・カリコ博士×山中伸弥(NHK)

 カリコ氏はmRNAの研究に没頭したものの、当時の主流はDNAだったため、誰からも研究を評価されなかった事。研究費が削減されたり降格されたりした事。
 それでも研究を続けた結果、山中教授が発見したiPS細胞をきっかけに陽の目を見た事などです。
 もし、カリコ氏がいなかったら、もし、「誰からも評価されない研究は無駄」となれば、今頃、ファイザー社、モデルナ社のmRNAワクチンは開発されていなかったかもしれません。

 今、役に立っている科学技術の研究成果でも、研究当時は将来役立つと思われていない物はたくさんあります。
 アインシュタインの特殊相対性理論は発表された時は、世界で3人しか理解できなかった上、特殊相対性理論が正しい事を実験的に証明できなかったため、ノーベル賞はもらえませんでした。
 しかし、現在では実験的に正しさが証明されています上、カーナビなどに使われていますGPSの技術に特殊相対性理論が使われています。

 (補足)アインシュタインがノーベル賞受賞したのは「光電効果」の発見です。これの応用例が太陽光パネルです。身近な電卓などにも使われています。

 何が当たるかはわかりません。
 有名な話で、シリコンバレーのベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタリストは「10件のうち1件でも当たれば成功」と言われています。

 ところで19世紀の英国に物理・化学者のファラデーがいました。電磁気をはじめ様々な分野で多大な業績をあげました。発電機やモーターの原理などの発見です。
 ノーベル賞受賞の吉野彰さんが科学を志した原点として「ローソクの科学」を挙げた事で有名になりましたが、「ローソクの科学」の著者はファラデーです。
 ファラデーは晩年、大蔵大臣から「電磁気の研究は何の役に立つのか」と聞かれ、ファラデーは「将来、あなたは電気に税金をかけるでしょう」と答えたという逸話があります。
 逸話が事実なのか後世の創作なのかはわかりませんが、基礎研究が将来役に立つ事があるのを示した逸話ですね。

 コロナで気分が落ち込みやすいですが、東京オリンピックで日本人選手のメダルラッシュで気持ちが明るくなります。
 今は注目されていない研究でも、しっかり予算をつけることで、将来は科学技術で誇れる日本になれば良いですね。

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