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土師氏の氏寺・道明寺。大阪府藤井寺市

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 10月30日、道明寺へ行きました。
 最寄り駅は近鉄・道明寺駅と土師ノ里駅。どちらからでも徒歩で行けます。

 道明寺は土師氏の氏寺です。この辺りが土師氏の拠点だった事から駅名にありますように「土師ノ里駅」です。
 土師姓は野見宿禰に由来します。日本書紀には垂仁天皇以前、皇族が亡くなると一緒に生きた人も一緒に埋葬されました。殉死者です。
 垂仁天皇は生きた人を埋葬するのを禁止しました。この時、殉死者の代わりにできたのが埴輪でした。埴輪の開発者が野見宿禰でした。
 野見宿禰はその功績から垂仁天皇から土師という姓を賜りました。古墳建設にも関わった事から日本最初の皇室御用達の葬儀屋になりました。
 私の勝手な想像ですが、埴輪を作るための土(粘土)を扱う師なので土師。そう考えますと合点がいく姓になりますね。
 余談ですが野見宿禰は強い力士としても日本書紀に描かれています。

 しかし時代を経るにつれ、穢れの発想が生まれ、土師という姓は忌み嫌われ、菅原姓などになっていきました。学問の神さんの菅原道真にもつながっていきます。そのため菅原家の氏寺にもあたりますため、菅原道真ゆかりのお寺になります。
 道明寺には菅原道真作の十一面観音立像があります。菅原道真が自分で彫ったのが事実であれば学問だけでなく芸術面でも凄いですね。
 道明寺には菅原道真の伯母が住んでいたため、菅原道真が大宰府へ流される際、ここのお寺へ立ち寄り今生の別れを行いました。菅原道真が亡くなった後、寺号を土師寺から道明寺になりました。

 日本書紀で垂仁天皇の時代は穢れの発想がなかったため「土師」という姓ができました。しかし、その後、穢れの発想ができました。素人の勝手な想像になりますが、「穢れ」は日本独自の思想ではなく、朝鮮半島か中国大陸から伝わった可能性があるかもしれないですね。

 お隣には道明寺天満宮があります。元々は道明寺と道明寺天満宮は一緒でしたが、明治時代の神仏分離により道明寺が隣の敷地に移転しました。
 神仏分離、廃仏毀釈は明治政府の暗黒の部分です。今年の大河ドラマ「青天を衝け」で初期の明治政府の混乱と政争に明け暮れるグダグダぶりに対して、渋沢栄一をはじめとする旧・幕臣の実務能力の高さを描いています。明治維新を無条件で礼賛する歴史観を見直すには良いドラマになっていますね。

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