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鎌倉時代初期の食事。食欲の秋と大河ドラマ
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も佳境に入ってきました。どういう展開になっていくのか楽しみですね。
ところで食欲の秋です。ふと鎌倉時代初期の食事がどうなっているのか気になりました。
大河ドラマでは食事の場面が出てきます。しかし800年前なので、今とは食事の内容も異なります。
日本の朝食といってご飯に味噌汁を連想する方もいらっしゃいますが、鎌倉時代の初期、味噌汁はありませんでした。
味噌は高級品だった上、味噌を薬味や酒の肴にする物で、湯に溶かす発想はありませんでした。
大河ドラマでは3代目将軍・源実朝が和田義盛の邸宅へ行き、鹿汁を食べて「美味しい」といった場面がありました。
鹿汁の味付け。今なら下味として味噌や醤油が挙げられますが、醤油も味噌同様、高級品でした。
そもそも平安時代や鎌倉時代初期は大豆の生産が一般的でなかったようなので大豆を原材料にした味噌、醤油も一般的ではありませんでした。
「塩をふりかけた素材を生かした鍋」といった所でしょうか。
味噌、醤油が広がっていくのは鎌倉時代初期以降で、大豆の生産の拡大と関係があるようです。味噌を湯に溶かすのをはじめたのも鎌倉時代と言われています。
酒を酌み交わす場面もありますが、当時はどぶろくでした。清酒はありませんでした。清酒が登場するのは400年後です。
あと現在では喉が渇いたらお茶を飲んだりします。
しかし、鎌倉時代初期、お茶は高級品だったため、貴族や力のある寺院の法要の時にしか飲まれませんでした。
今みたいに喉が渇いたからペットボトルのお茶を飲むような感じで、お茶を飲む事はありませんでした。武士がお茶を飲み始めたのは鎌倉時代後期と言われています。庶民になりますと室町時代後期や江戸時代と言われています。
ところで鎌倉時代に日本に伝わったと言われています「うどん」。うどんの薬味は何が使われていたのか。胡椒です。意外ですね。
平清盛の時代に日宋貿易が盛んになりました。鎌倉時代になっても民間では貿易が行われました。胡椒が日本に伝わり薬味になりました。鎌倉時代、輸入品の1つに胡椒がありました。
鎌倉幕府は幕府として日宋貿易は行っていませんでしたが、民間で行われていたため、宋から輸入された茶碗などが鎌倉武士が使っていました。
今も昔も日本人が舶来品大好きなのは変わらないですね。
鎌倉時代。学校の歴史では軽く触れたぐらいで終わりそうな150年ですが、現代の食生活という身近な部分が形成され始めた時代とも言えますだけに、興味深い時代でもありますね。