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英虞湾とミキモト真珠。三重県志摩市賢島
ゴールデンウィールの5月5日、近鉄で賢島まで行きました。
賢島駅にはホームが5つあります。
時間帯によっては近鉄特急のビスタカー、伊勢志摩ライナー、しまかぜが並ぶ光景を見る事ができます。思わず撮影したくなりますね。
普通列車も伊勢志摩を連想させるラッピングが良かったです。
賢島駅から徒歩5分ぐらいの所に、英虞湾遊覧船・賢島エスパーニャクルーズ号の乗り場があります。もちろん乗りました。
英虞湾の周遊。船内放送で英虞湾の説明がありました。
賢島の名前の由来、御木本幸吉が真珠養殖に成功した事、英虞湾の湾口にある浜島(島とつきますが島ではありません)、横山展望台があります横山などを紹介していました。
英虞湾といえば1893年に御木本幸吉による世界初の真珠養殖の成功は有名な話です。この時は半円真珠でしたが、1095年には真円真珠の養殖に成功しました。
日本では御木本幸吉が数々の困難を乗り越えて真珠の養殖に成功した物語となっています。現在でも英虞湾で真珠の養殖が盛んにおこなわれています。賢島エスパーニャクルーズ号から真珠養殖のいけすを多数見る事ができました。
真珠養殖の成功は、世界の産業を変えるほどの衝撃がありました。衝撃を受けたのがウェートをはじめとするペルシャ湾周辺の中東諸国でした。
古代よりクウェートをはじめとするペルシャ湾周辺では天然真珠の採取が基幹産業でした。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、燃料といえば石油ではなく石炭でした。そのため中東では石油の開発もあまり行われていませんでした上、基幹産業ではありませんでした。
養殖真珠以前は、真珠は超高級品でしたが、養殖真珠の登場で価格破壊が起こりました。そのため天然真珠が追いやられ、クウェートをはじめとする中東諸国の真珠産業は壊滅的な打撃を受けました。
それだけではありません、安い真珠はヨーロッパの宝石商も脅かす事になりました。恐るべし御木本幸吉による真珠養殖といった所です。
クウェートの真珠産業が壊滅的打撃を受けたため、クウェートは収入源を見つけるべく、原油に賭ける事となりました。それが当たり、現在では世界有数の原油産油国になりました。
かつてクウェートでは天然真珠が基幹産業だった事もあり、毎年、真珠採り大会が行われています。
クウェートで真珠採り大会、伝統のダウ船で(AFP通信:2015年8月14日の記事)
そして日本が中東のUAEに真珠養殖の支援をしている記事があります。
ジャパン石油開発がUAEの真珠養殖プロジェクトに貢献(JICAの記事)
真珠の賢島。お土産は真珠漬本舗の真珠漬を買いました。御食つ国の珍味です。真珠貝(あこや貝)の貝柱を酒粕に漬けているものです。ごはんと一緒に食べるとおいしいです。