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ATMの足跡はノーベル賞。身近な行動経済学

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 日曜日、阪神西宮駅のATMを見ますと、ATMの入り口の所に足跡が描かれているのを発見しました。
 思わず「ナッジだ」と思いました。

 ナッジ(Nudge)とは、元々は軽く突いて注意喚起をする意味です。
 行動経済学では、軽い注意喚起を行って、人を誘導する意味で使われています。

 従来の経済学では「人は合理的に判断する」を前提にしています。しかし、実際には、人は合理的には判断していないです。
 よくある話で、ついつい飲みすぎて、翌日、二日酔いになったり、バーゲンで安いと思って、余分な物まで買ってしまったりする等などです。
 そこで人の心理を考慮した上で、どうすれば合理的な判断するように導いて、人を幸せにするかで生まれたのが行動経済学です。
 そしてナッジとは、強制するのではなく、軽く注意喚起をする事で、人を、あたかも自分で判断したかのように、誘導する事です。

 写真のATMの足跡ですと、強制されなくても、無意識のうちに整列してしまいますね。
 狭い道路のカーブでは騙し絵を使って、車が速度を出しすぎないようにする工夫が見られますね。

 ところで、昨年、ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のリチャード・セイラー教授は、行動経済学で受賞しました。
 ATMの足跡がノーベル賞。そう考えますと、経済学が身近に感じますね。

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