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車のエンジン効率は温度で決まる

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 車を購入する際、燃費は気になりますね。
 エンジンの仕組みですが、シリンダー内で混合ガスを圧縮した後、プラグに点火し、その爆発の際に生じる熱エネルギーを運動エネルギーに変換しています。

 エンジンや蒸気機関などの熱機関において、最大の熱効率を求める式があります。
 カルノーサイクルと呼ばれる理想の熱機関を使った場合の最大熱効率の公式を載せました。温度のみで最大熱効率が決まります。
 絶対温度とは、私達が使っています摂氏に273を足した物です。気温27度の時、絶対温度は300度になります。

 ガソリンエンジンの場合、爆発の際の最高温度は摂氏2000度なので、絶対温度2300度とします。
 最低温度は外気温なので摂氏27度としますと、絶対温度は300度になります。

 カルノーサイクルの熱効率の式に代入しますと 0.86。最大熱効率86%。
 でも、カルノーサイクルの熱効率は、理想の熱機関での最大熱効率の値なので、実際にはもっと低いです。
 ガソリンエンジンの場合、オットーサイクルと呼ばれる熱機関です。温度設定によって最大熱効率は変わってきますが、あるサイトで見ましたら最大熱効率は50%ぐらいです。

 熱効率ですが、最高温度の設定で大きく変わります。熱効率を上げるには、最高温度を3000度や4000度に上げていけば理論上、可能です。
 でも、ガソリンの燃焼では3000度には届きませんし、仮に届いても、それだけの熱や圧力に耐えられる材質の問題、エンジンの周囲が高温にならないよう、熱放出の冷却のラジエターをどうするかの問題が出てきます。

 これ以上、エンジン効率を上げられないとなれば、取り出した運動エネルギーを効率良く車輪に伝えるか、車輪に伝えた運動エネルギーを効率良く使うため、いかに車体の軽量化をするかが課題になってきます。

 熱効率の公式を知ると、自動車メーカーの技術者の方の苦労が垣間見えますね。

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