Blog

戦前は電力自由化だった。阪神電車・旧尼崎発電所

ブログ

 先日、阪神尼崎駅(兵庫県尼崎市)の近くを通りました。
 レンガ造りの建物があります。明治38年(1905年)に阪神電車が開通する前にできた建物です。
 当時、電力会社ありましたが、電車を走らせるだけの電気を供給する余裕はありませんでした。そのため鉄道会社が自前で発電所を持つ時代でした。
 そして余った電気を周辺の住宅に供給していました。電力事業にも参入していました。

 明治から昭和初期までは電力自由化でした。その間、色々な会社が電力事業に参入したため、過剰供給になり、電力会社の再編成などが行われたりしました。
 余った電力を有効活用するため、電力を必要とする産業が生まれるなどしました。

 1942年に配電統制令で電力会社9社になりました。戦時体制の統制経済ですね。その形態が戦後も長く続いていました。

 近年、電力の自由化になりました。でも、近代史を見ますと、電力自由化は目新しく物ではなく、戦前に戻ったという感じですね。

 ところで、旧尼崎発電所は大正時代の前期に役目を終え、資材倉庫として利用されているそうです。

 阪神電鉄の正式社名は「阪神電気鉄道」です。「電気」とは電気で走る列車の意味ですが、過去に電気も販売している会社だった事を考えますと、「電力会社」を連想してしまいそうですね。

Share

Category

Archive

Recent posts