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コンサートの臨場感が伝えられない。権利関係の話

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 昨日、大阪で行われました岡村孝子さんコンサートへ行きました。

 岡村孝子さんがサンタクロースの衣装で登場した際、会場は盛り上がりました。
 そして岡村孝子さんが「世界中メリークリスマス」を歌われた際、気分が明るく曲なので、会場全体が陽気な雰囲気に包まれました。

 臨場感溢れる内容をブログに書きたい所ですが、権利関係があるため困難です。ここから権利関係の話を書きたいと思います。

 気分が明るくなる「世界中メリークリスマス」は、どんな歌詞かと言いますと「♪~♪~♪」となってしまいます。
 臨場感を伝えたいが故に無断で歌詞をネットに掲載すると、著作権法で定められています著作権者の権利の侵害になってしまいます。
 著作権法21条の複製権の侵害、23条の公衆送信権の侵害です。

 著作権法は任意法規なので、著作権者の許可があれば、掲載は可能なのですが、音楽の場合、そんな簡単ではありません。
 音楽の場合、権利関係を管理する団体が日本音楽著作権協会(JASRAC)あります。
 著作権者は、JASRACに権利の管理を委ねているため、安易に許可する事ができません。

 歌詞の掲載については、個人の非営利のブログであっても、JASRACの許諾手続が必要になります。「ブログへの歌詞の掲載について JASRAC
 ましてや営利目的で、無断でブログに歌詞を載せたり、店内でCDを流したり、店員が歌ったりすると、JASRACから訴えられます。
 商業施設や喫茶店などで流れていますBGMは、JASRACの許諾を得た上で流しています。

 阪神ファンの集う居酒屋で、客が「六甲おろし」を歌うのは問題ないですが、店の主人がJASRACの許可なしに客と一緒に「六甲おろし」を歌うと権利侵害になってしまい、JASRACから訴えられてしまいます。実際に、過去に、スナックの主人がハーモニカーでビートルズの曲を吹いていました。JASRACから何度も権利侵害を指摘されても無視したため、刑事告訴された例があります。

 音楽を含めた著作物に対して、何でも無断に使う事を禁止にすれば良いかといえば、そうではありません。
 無断に使っても、著作権者の商業活動に影響が及ぼさない場合がありますし、著作物を自由に扱えることで、宣伝・普及効果だけでなく、文化の発展につながるという観点です。そのため著作権法では、無断で使っても良い場合を示しています。

 さて、歌詞は載せられないとなれば、会場の様子を撮影できれば、会場の雰囲気をお伝えできますが、写真撮影は禁止なので、撮影しませんでした。
 ここでも権利関係の問題が発生します。肖像権の問題が出てきます。

 肖像権には2つあり、プライバシー権と、パブリシティ権があります。どちらも権利も法律では記載されていませんが、判例として認められている権利です。
 プライバシー権とは、個人が知られたくない情報を隠す権利です。不特定多数の人に、顔を知られたくないという権利です。

 パブリシティ権とは、顔写真などに商品価値がある場合、それを他者から守る権利です。
 人気歌手、タレント、スポーツ選手など著名人の顔写真が、無断で撮影された、それがネット上などに流れる事で、歌手の顔写真や姿が載ったCDをはじめとした関連グッズの売上に影響を与える可能性があります。

 コンサートでの写真・動画撮影の禁止の理由には、権利関係の保護の話が垣間見えますね。
 

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