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忠臣蔵の登場人物の官位の不思議
忠臣蔵といえば、赤穂藩主の浅野内匠頭の無念を晴らすべく、家老の大石内蔵助ら赤穂浪士47人が立ち上がり、吉良上野介を討った話です。
ところで浅野内匠頭の「内匠頭」、吉良上野介の「上野介」、大石内蔵助の「内蔵助」ですが、官位になります。序列を示すものになります。
浅野家よりも吉良家の方が格式が上でした。忠臣蔵でも吉良家の方が格式が上で描かれています。
しかし彼らの官位を、律令時代に制定されました四等官(かみ、すけ、じょう、さかん)で見てみますと、不思議な事がわかります。
「内匠頭」は「頭」(かみ)なので長官、「上野介」の「介」(すけ)は次官を指します。家老の大石内蔵助の「内蔵助」は「助」(すけ)なので次官になります。
藩主・吉良は家老・大石と同格と思ってしまいそうですね。
ここに官位の奥深さが隠れています。
長官にあたる官位の上野守ですが、親王だけがなれる官位です。律令制度が崩壊して武家社会になっても、その伝統は引き継がれていました。
そのため藩主であっても次官の官位の「上野介」となります。
それだけではありません。吉良上野介は他の官位も兼ねていました。左近衛権少将です。
この官位は「内匠頭」よりも上になります。そのため吉良上野介は浅野内匠頭とりも格式が上になります。
官位の観点から歴史上の人物を見ますと面白いことが見えてきますね。
写真は以前、赤穂市へ行った時に撮影しました。JR播州赤穂駅前には大石内蔵助の像が建っています。