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ABC予想。天才数学者・望月新一教授。新しい発想には論争がつきもの

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 4月10日放送のNHKの番組「数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語(前編)」を見ました。

 正直な感想を書きますと難しすぎてわかりませんでした。ただ、ABC予想を証明するための「宇宙際タイヒミューラー理論」が数学の世界に大衝撃を与えたという事は伝わってきました。

 望月教授の理論の難解さと衝撃の凄さ。2012年に発表された「宇宙際タイヒミューラー理論」の論文は、査読(内容精査)に7年以上かかり、査読終了が2020年。査読が終わっても論争が終わらない。ドイツの天才数学者・ペーター・ショルツ博士(ボン大学教授)が「根本的な欠陥があり証明できていない」と主張し、望月教授との間で激論が交わされた話が紹介されていました。
 日独の天才数学者のぶつかりあい。それだけ数学の世界に激震が走った理論だというのは感じ取れました。

 数学のど素人の私には「宇宙際タイヒミューラー理論」が正しいかどうかは判断はできませんし、今からねじり鉢巻で勉強しても、棺おけに足を突っ込む段階になっても理解できずに無念の死を迎えるのが目に見えています。そのため難しい理論については天才数学者に委ねるとします。

 ところで数学の歴史をみますと新しい発想が出る度に論争が出てきます。
 中学・高校で習う範囲で論争になった数学の話を紹介します。

 以前のブログ実はホラーな話。ピタゴラスの定理(三平方の定理) でも紹介しましたが、直角二等辺三角形の3辺の比は1:1:と習います。
 でもは分数で表せないため、全ての数は分数で表せると主張するピタゴラス達にとっては不都合な発見だったため、闇へ葬り去りました。

 現在の視点では笑い話になるかもしれませんが、当時の数学者にとってはまさに真剣な議論でしたし、不都合な事が発見されると、自分たちの考えが根底から崩れ去るため真剣にならざるえない状態でした。

 中世ヨーロッパでも論争になった話があります。「 ab + c 」という数式です。
 何の変哲もない数式ですが、abは2次元、cは1次元なので足すことはできないという論争が出ました。

 これを解消できたのは数字の「1」の導入でした。基準となる値「1」です。
 図形の比率である辺の長さを基準値「1」として比をとりますと 1:a = b:c になります。c = ab という式ができます。 c = 1・c で2次元です。
 問題を乗り越えたことで中学・高校の数学で「 ab + c 」という数式と出会うことができるようになりました。

 当時の数学者にとっては、本当にこれで良いのか、正しいのかという事で真剣な議論になっていました。
 みんなが納得できる説明。これは難しい事が伺えますね。

 数学史を少し紐解きますと、中学・高校で習う範囲でも大論争になった話があります。先人のおかげで安心して使える数学になっています。

 ところで余談になりますが、多くの数学者でも理解できていないABC予想ですが、どうやってNHKがABC予想の特集番組を制作されたのか。番組制作にあたり、ABC予想を理解できた数学者の監修があったのだろうか。その辺りが興味津々ですね。

 再放送は4月14日の午前1:10からです。まだご覧にになられていない方は録画をお勧めします。

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